健康コラム 「冷え」はなぜ起こる?
寒くなると気になるのが「冷え」温めているのにいっこうに温まらない、なんか原因が分からず冷える、なんてことを感じている方がおられると思います。今回はそんな冷えを取り上げます。皆さんの冷えの改善の助けになれば幸いです。
冷えの原因とは?
皆さんを苦しめる「冷え」は、なぜ起こるのでしょうか?
■筋肉不足・運動不足
冷えは体の熱生産不足により起こります。筋肉は1日の体の熱生産量の6割を運動によって生み出すと言われています。運動不足の人、筋肉の少ない女性が冷えになりやすいのはその為です。
■自律神経の乱れ
ストレスや不規則な生活、無理なダイエット、ホルモンバランスの異常(女性)などにより、体温調節を司る自律神経がうまく働かなることがあります。その為、寒くて熱を溜めなければいけない時に逆に熱を放出して体温を下げたり、暖かい場所でも寒い時と同じ反応をしてしまう為体温が上がらないなどの体が正しく反応しなくなります。
■皮膚感覚の乱れ
きつい下着や靴などでからだを締め付けると、血液がうまく流れず、寒いという皮膚感覚が麻痺することがあります。この為、正しく体温調整ができなくなります。
■血流の悪化
血液は体の隅々までそれ自体の熱を伝えるという機能があります。前出の締め付けや、低血圧・貧血などにより血流が悪化すると熱が伝わらず、冷えの原因となります。
■食事
食べ物には体を温める陽性食品と、体を冷やす陰性食品があります。一般的に、温かい地方でできた、軟らかくカリウムを多く含む水分の多い食品(ほとんどの野菜や果物)は陰性食品、動物性でたんぱく質・塩分・鉄分の多い食品(牛肉・豚肉・魚など)や寒い地方でできた硬く、水分の少ない食品(玉ねぎ、かぼちゃ、にんじん、ごぼうなど)は体を温める陽性食品です。陰性食品を摂り過ぎることによって知らず知らずのうちに体が冷えることがあります。
冷え性?冷え症?
「冷え性」と「冷え症」の違いは何なのでしょうか。手足の先端を温めても温まりにくく、慢性的に冷えた感覚が持続する状態の事を「冷え性」と言います。これは体質を表すもので、病名ではありません。ただ、この状態を苦痛に感じ、日常生活に支障をきたす場合、受診すればこれが「冷え症」と名前が変わり治療の対象となります。重症度によって名前が変わるのです。
■冷え性の症状
冷え性の方がなりやすいのは以下の症状です。
頭痛や腰痛といった痛み、肩こり、疲労や脱力感、ほてりやのぼせ、風邪、腹痛や下痢、アレルギーや肌荒れ、胃もたれ、生理不順、不眠症などが挙げられます。また糖尿病など重大疾患のサインとして現れる場合もあるので異常な冷えを感じたら受診を!
■冷え性の予防
まず体を温める事が重要です。具体的には、運動をし筋肉をつける、しっかり着込む、腹巻・使い捨てカイロを使う、38℃~40℃のぬるま湯にゆったりつかるなどがあります。
また血流を良くするため、きつい衣服はつけない、貧血・低血圧対策をするなどが挙げられます。自律神経を整える為、規則正しい生活を心掛ける、ストレスを発散する、無理なダイエットはしない、なども重要です。食事では温かいものを食べる、陰性食品を食べ過ぎない(加熱などによって陽性側に変わる事があります)、など注意していきましょう。
ポイント:3つの首を温める
3つの首とは「首」「手首」「足首」のことです。これらは太い血管が皮膚に近いところにあるため、外気の影響を受けやすく、ここが冷えていると冷たい血液が体をめぐり、全身が冷えてしまいます。3つの「首」を温めることで温かい血液が循環しやすくなり、体を温めることができます。
・首・・・ストール、ネックウォーマー、マフラーなど
・手首・・・ハンドウォーマー、リストバンド
・足首・・・レッグウォーマー