健康コラム 筋肉・筋肉痛について
だんだん涼しくなり、運動をするにはもってこいの季節になりました。がんばって体を動かしたけれど、次の日あちこち痛くて起きられない、なんて経験があると思います。今回は筋肉と筋肉痛について取り上げていきたいと思います。
筋肉とは
動物が体を動かすのに必要な組織です。筋肉には3種類あります。1つめは骨格筋。腕や足など体を動かす為の筋肉で、一般的にはこれを筋肉と言います。2つめは、平滑筋。心臓を除く臓器や血管を構成する筋肉で、柔軟性に富んでいます。3つめは心筋、文字通り心臓の筋肉です。また、筋肉は、自分の意志で動かせる、動かせないで2つに分かれます。自分の意志で動かせる筋肉は随意筋と言います(骨格筋)。対して自分の意志では動かせない筋肉は不随意筋と言います(平滑筋・心筋)。
筋肉痛とは?
運動会の後の筋肉痛、原因は筋肉結合組織の損傷です。筋肉の運動は収縮しながら力を出す運動(短縮性運動 階段の上りなどの運動)と伸ばしながら力を出す運動(伸張性運動 階段の下りなどの運動)があります。筋肉痛は伸張性運動が原因で起こり短縮性運動ではほとんど起こしません。(普通の運動には両方の運動が含まれている為筋肉痛は避けられません)伸張性運動を繰り返すと筋肉を束ねる結合組織が傷つきます。その傷を治そうと免役細胞が集まり炎症が起きます。その免疫細胞が出す物質が痛みを感じる神経を刺激し、脳に痛みとして伝わります。これが筋肉痛で、運動後、24時間~72時間後に痛みがピークに達します。
筋肉痛の予防
筋肉は常に分解・再生を繰り返しています。常日頃運動をしていないと、筋肉は分解が優位になり筋肉が細くなっていきます。そこへ急激な運動をする為、簡単な運動でも筋組織が傷つき、筋肉痛を起こします。1つの対策としては、日頃から運動をすることです。運動をすることで筋肉再生が活発になり筋肉が太くなります。(たんぱく質などの栄養も必要です)すると以前の運動の程度では筋肉が傷つきにくくなります。
もう一つの対策として、運動前にたんぱく質(アミノ酸)を摂取することです。とくにバリン・ロイシン・イソロイシン(BCAA(分岐鎖アミノ酸))を運動前に摂取することによって筋肉痛や筋肉疲労を軽減できることが、数々の実験から証明されています。
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遅れてでる筋肉痛って?
若いころ運動後すぐ筋肉痛になりませんでしたか?実はこれは激しい運動による血流不足や筋肉の内圧が高くなるのが原因で通常の筋肉痛とは別物です。若い人、高齢者が同じダンベル運動をした実験では、皆同じように翌日に筋肉痛が発生し、数日間続いたそうです。遅れて出る筋肉痛は年齢からくるものではなかったんです。
高齢者と筋肉
よく耳にする言葉に「サルコペニア」があります。ギリシャ語の造語でサルコ(筋肉)ペニア(減少)という、高齢者の筋肉量がだんだん減少する状態を表した用語です。立ち上がるとき何かにつかまったり、つまずきやすくなってきたら要注意です。医師の診断で①X線による筋肉量の測定②握力③歩行速度 から判断されます。老化や活動量の低下が原因と言われていますが、はっきりとわかっていません。ですがあきらめてはいけません。
サルコペニアの進行を防ぐポイントは2つ、運動と栄養です。体を動かせば筋肉が刺激されます。ですが、運動だけでは逆に筋肉の分解が促進され、筋肉は痩せていくばかりです。たんぱく質やアミノ酸を摂って初めて筋肉の合成が盛んになります。ただ気を付けなければならないのは、高齢者は若者と違い、たんぱく質(アミノ酸)と炭水化物を同時に摂ると筋肉合成が促されない事が分かっています。運動の前後にBCAAや総合アミノ酸単独で摂る事が勧められています。